オンラインショップやイベントでハンドメイド作品を販売している方のなかには、お店に作品を置いて販売してもらいたいと考えている方もいるのではないでしょうか。こうした販売方法を「委託販売」といいます。

委託販売を始めるには、作品を置いてくれるお店の探し方や、販売手数料を踏まえた価格設定などを知っておく必要があります。

この記事では、ハンドメイドの委託販売の仕組みや委託先の探し方、手数料の相場と価格の決め方、注意点を解説します。委託販売以外の販売方法も紹介するので、自分に合った売り方を見つける参考にしてください。


ハンドメイドの委託販売とは?

ハンドメイドの委託販売とは、自分の作品をお店に預け、代わりに販売してもらう方法です。実店舗だけでなく、オンラインショップに預けることもできます。作品が売れると、売上から販売手数料を差し引いた金額が作家に支払われ、売れ残った作品は契約期間の終了時などに返却されるのが一般的です。

委託販売で扱われる作品は、ピアスやネックレスなどのアクセサリー、自作のイラストを使った缶バッジやキーホルダーなどのオリジナルグッズ、ポーチなどの布小物、編み物、陶器や木工小物など多岐にわたります。 

イラストを使ったオリジナルグッズ作りについては、「イラストをグッズ化する方法は?人気アイテム・販売上の注意点を解説」「オリジナルグッズを販売したい!方法・始め方・注意点を初心者向けに解説 」で詳しく解説しています。

買取・レンタルボックスとの違い

お店で作品を販売してもらう方法には、委託販売のほかに「買取」と「レンタルボックス」があります。なかでもレンタルボックスは委託販売とよく似ていますが、作家が棚などの陳列スペースを借りる点が異なります。

委託販売買取レンタルボックス
販売方法お店に作品を預け、販売してもらうお店が作品を買い取り、販売する棚やボックスを借り、自分の作品を陳列する
売上の入金売れた分から販売手数料を差し引いた金額を受け取る納品時などに仕入れ代金(販売価格より低めの金額)を受け取る売れた分の売上を受け取る
主な費用販売手数料(店舗によっては固定費もかかる)基本的に販売手数料や出店料はかからない月額レンタル料(店舗によっては販売手数料もかかる)
売れ残った作品作家に返却されるお店の在庫になる作家が自分で引き取る

※費用や精算方法、売れ残った作品の扱いは、店舗との契約によって異なります。 


ハンドメイド作品を委託販売するメリット・デメリット

委託販売には、ネット販売やイベント出店にはないメリットがある一方で、デメリットもあります。

主なメリット

  • 実物を見て安心して買ってもらえる(実店舗の場合)
    質感やサイズ感が直接伝わるので、写真だけでは購入を決めきれない人にも選んでもらいやすくなります。
  • 販路が広がり、新しい人に届く
    これまで接点のなかった人に、作品を知ってもらうきっかけになります。
  • 販売業務を任せられる
    接客・会計などの業務を店舗に任せられ、自分は製作に集中できます。

主なデメリット

  • 販売手数料がかかる
    自分で売る場合に比べて、1点あたりの利益は少なくなります。
  • 入金までに時間がかかる
    作品は売れるまで収入になりません。売れたあとも月ごとにまとめて精算するお店が多く、入金はさらに先になります。

ハンドメイド作品を置いてくれる店の種類

作品を委託販売できる主なお店は、次のとおりです。

  • 雑貨店 / セレクトショップ
    お店の雰囲気や取り扱う商品のテイストが作品と合えば、来店客に興味を持ってもらいやすくなります。オンラインショップでも販売しているお店なら、実店舗以外のお客さまにも作品を届けられます。
  • ハンドメイド作品の専門店
    さまざまな作家の作品を取り扱うお店です。ハンドメイド好きな人の目に留まりやすくなります。
  • カフェ / 美容室
    レジ横や店内の棚などに作品を置くスタイルが見られます。アクセサリーや小物など、手に取りやすい作品と相性がよいでしょう。
  • 観光地 / 道の駅 / ホテルのショップ
    観光客が主な客層となるため、土地ならではのモチーフを取り入れた作品や、旅の記念になる作品が選ばれやすいでしょう。

ご当地モチーフのグッズについては、「ご当地グッズをビジネスに!参入にあたり押さえておきたい情報を解説」で詳しく解説しています。


ハンドメイド作品の委託販売先の探し方・依頼の流れ

委託販売先の探し方

まずは「ハンドメイド 委託販売 募集 〇〇(地名)」と検索したり、Instagramで「#委託販売募集」「#委託作家募集」などのハッシュタグを調べたりしてみましょう。

オンラインショップに委託したい場合は、「ハンドメイド 委託販売 オンラインショップ」「作家募集」などで検索してみましょう。サイト内に作家募集ページを設けているお店もあります。

募集をしていない個人店でも、普段通っているカフェや美容室などに相談すると、置いてもらえることがあります。

お店側は「自分の店の雰囲気や客層に合うか」を見て、取り扱うかどうかを判断します。作品の世界観が伝わる写真やSNSアカウント、価格表などを用意しておくと、話がスムーズに進むでしょう。

委託販売の流れ(開始から入金まで) 

委託販売は、まずお店に問い合わせて作品を見てもらうところから始まります。取り扱いが決まったら、販売手数料や契約期間などの条件を確認して契約を結びます。そのあと納品書と値札を添えて作品を納品すれば、販売開始です。

販売が始まると、お店から定期的に売上の報告が届きます。多くの場合は月ごとに精算し、報告をもとに請求書を送って売上金を受け取ります。売れた作品は補充し、売れ残った作品は契約期間が終わったときに引き取ります。


ハンドメイドの委託販売にかかる費用

委託販売では、売れた作品の代金から販売手数料が差し引かれるほか、販売に関わる諸費用がかかることを把握しておく必要があります。

販売手数料の相場

販売手数料はお店や立地によって幅がありますが、売上の20〜50%がひとつの目安です。特に、集客力のある有名店や商業施設では、手数料が高めに設定されている傾向があります。

手数料以外にかかる費用

販売手数料のほかに、次のような費用がかかることがあります。

  • 納品時の送料や交通費
  • 値札や台紙、ディスプレイ用品の費用
  • 商品撮影料(オンラインショップに委託する場合)

利益が残る価格の決め方

委託販売の価格は、材料費などの原価に販売手数料や諸費用を加味し、必要な利益を確保できるように設定しましょう。売れたときの利益だけでなく、目標とする利益を得るには何個売る必要があるかを考えることも大切です。

例えば、売価400円・原価100円の缶バッジを、販売手数料30%で委託販売する場合、1個あたりの手取りは280円です。ここから原価100円を差し引くと、利益は180円になります。月に1万円の利益を目指すなら、10,000円÷180円≒55.6個となるため、月に56個以上売る必要があります。

ただし、この計算には交通費や送料、販売促進費などは含まれていません。実際の価格設定では、こうした諸費用も洗い出し、必要な利益を確保できるか確認しましょう。

缶バッジの価格設定と原価の考え方は、「缶バッジの値段はいくら?製作費用・価格設定・利益率向上のヒントを解説」「缶バッジの原価はいくら?内訳・削減方法・注意点をわかりやすく解説」で詳しく解説しています。


ハンドメイドの委託販売で失敗しないための注意点

1. 契約内容は記録に残る形で確認する

委託販売のトラブルで多いのは、売上の入金や作品の扱いに関する認識のずれです。

契約書や利用規約がある場合は、契約前に内容をよく確認しましょう。書面がない場合は、費用や精算方法、作品の取り扱いなど合意した内容をメールやメッセージで残しておくと安心です。 

2. 売り場での見せ方を工夫する

委託先では、ほかの作家の作品と並べて販売されます。作家名や値札を入れた台紙を付ける、シリーズで並べるなど、売り場で選ばれやすい見せ方を工夫しましょう。オンラインショップに委託する場合は、作品の魅力が伝わる写真や、サイズ・素材などの情報をそろえて渡すとよいでしょう。

台紙の作り方やデザインのアイデアについては、「缶バッジの台紙とは?メリット・作り方・アイデア・よくある失敗と注意点」で詳しく解説しています。

3. 委託販売だけに頼らず、ほかの販売方法と組み合わせる

委託販売は、置いてもらったお店の客層や立地によって売れ行きが左右されます。契約が終われば、その売り場もなくなります。ほかの販売方法と組み合わせて販路を分散させておくと、売上が安定しやすくなります。

ハンドメイド作品をはじめオリジナルグッズを販売したい人には、「オリジナルグッズを販売したい!方法・始め方・注意点を初心者向けに解説」の記事も参考になります。


emoji_objects 委託販売を販路のひとつにして、作品を届ける場所を広げよう

ハンドメイドの委託販売は、手数料がかかるものの、自分のお店を持たずに実店舗やオンラインショップで作品を販売してもらえる方法です。これまで接点のなかったお客さまに作品を知ってもらえるのも魅力です。契約条件と価格設定をしっかり確認したうえで、ネット販売やイベント出店と組み合わせて、販売機会を広げましょう。

価格設定の例で取り上げた缶バッジは、手頃な価格で手に取ってもらいやすく、委託販売とも相性のよいアイテムです。委託先が増えると、お店ごとに売れ筋を見ながら補充する必要がありますが、缶バッジなら缶バッジマシンとパーツ、家庭用プリンターがあれば、必要な数だけ自分で作れます。 

缶バッジを使った物販の始め方については、「副業で物販を始めるなら缶バッジがおすすめ?SNS活用した販売の始め方と注意点」で詳しく解説しています。

パーツを少量から購入できれば、大きな在庫を抱えることなく、売れ行きを見ながら製作できます。

バッジマンネットでは、自動・手動缶バッジマシンをはじめ、素材・パーツや特殊フィルムも豊富に取りそろえています。パーツの多くは50個から購入できます。 

作りたい数量やサイズに合うマシン・パーツがわからない場合は、お気軽にお問い合わせください。 


よくある質問

Q. ハンドメイドの委託販売は儲かりますか?

収益は、委託先の客層と作品が合っているか、手数料を差し引いても利益が残る価格になっているかによって大きく変わります。まずは1〜2店舗で始めて売れ行きを確かめ、価格や作品の種類を調整していくのがおすすめです。

Q. 委託販売の手数料は交渉できますか?

個人店では、話し合いで手数料を決められる場合があります。一方、商業施設のショップや多くの作家が出品しているお店では、条件が一律に決まっていることが一般的です。

Q. 委託先で作品が売れなくなったときはどうすればいいですか?

陳列場所や見せ方、価格がお店の客層に合っているかを見直してみましょう。新作を定期的に補充すると、リピーターにも新鮮さを感じてもらえます。お店のスタッフに、お客さまの反応を聞いてみるのもひとつの方法です。