
イベントで頒布したり、ネットショップで販売したりする缶バッジを作るとき、「通常の仕上がりでは、ほかの作品に埋もれてしまうかも」と感じたことはありませんか?ホログラムやグリッターなど、表面に特殊加工を施した缶バッジは、アニメ・ゲームの公式グッズはもちろん、オリジナルグッズの販売サイトや同人イベントでもよく見かけるようになりました。
ただ、選択肢が多いぶん「自分のデザインにはどのフィルムが合うのか」と迷う方も少なくありません。
この記事では、缶バッジの表面加工で使われる特殊フィルム(ホログラム・オーロラ・グリッター・マット)の違いを比較表で整理し、製作時に失敗しないための注意点までまとめて解説します。
缶バッジの表面加工で使われる特殊フィルムとは?
缶バッジは、デザインを印刷した紙を金属のパーツにかぶせ、その上を透明なフィルムで覆って作られています。このフィルムには印刷面を傷や汚れから守る役割があり、同時に缶バッジの見た目も大きく左右します。
一般的な缶バッジは、ツヤのある透明フィルムで仕上げます。これを、独特の輝きや質感を持つフィルムに替えたものが特殊フィルムです。ホログラムやマットなどの種類があり、デザインはそのままでも、フィルムを替えるだけで印象をがらりと変えられます。
なお、見た目を変える方法としては、フィルムではなく印刷用紙を替えるやり方もあります。たとえば、ホログラム紙にデザインを直接印刷すれば、背景など一部だけを光らせることも可能です。
缶バッジで使われる素材やパーツについては、「缶バッジの素材とは?種類・用途別組み合わせ例・選び方のポイントを解説」「【缶バッジのピン選び】安全ピン・Zピン・代用パーツなどの種類と特徴」で詳しく解説しています。
特殊フィルムの表面加工が缶バッジ販売で選ばれる理由
ホログラムやグリッターなどの特殊フィルムは、アニメやゲームの公式グッズをはじめ、オリジナルグッズの販売サイトや同人イベントでも広く使われています。
缶バッジは機材さえあれば手軽に製作できる一方、デザインだけで差別化するのは難しい場合もあります。特殊フィルムを使えば、デザインを変えずに見た目の印象を変えられるため、商品の個性を打ち出す方法のひとつになります。
販売する側から見た主なメリットは、次の3つです。
- 店頭やイベントの机の上で目を引く:光を反射するため、通常仕様と並べたときに視線が止まりやすくなります。
- 付加価値をつけやすい:「特殊フィルム仕様」というわかりやすい違いがあるので、通常仕様より高い価格設定でも購入者に納得してもらいやすくなります。
- ラインナップに変化を出せる:シリーズのなかの1種類やシークレット枠だけを特殊フィルムにするなど、コレクション性を高める工夫ができます。
シークレット枠などを設けたシリーズ商品の企画については、「ブラインド商品とは?仕組み・販売形態・企画や販売の注意点を解説」で詳しく解説しています。
オリジナルグッズ販売に関心のある方には「オリジナルグッズを販売したい!方法・始め方・注意点を初心者向けに解説」「イラストをグッズ化する方法は?人気アイテム・販売上の注意点を解説」の記事もおすすめです。
また、缶バッジの価格設定については、「缶バッジの値段はいくら?製作費用・価格設定・利益率向上のヒントを解説」で詳しく解説しています。
缶バッジで使われる主な特殊フィルム【比較表あり】
代表的な特殊フィルムには、ホログラム・オーロラ・グリッター・マットの4種類があります。輝き方や質感がそれぞれ異なるため、デザインへの影響や販売したいシーンに合わせて選ぶことが大切です。
まずは比較表で全体の違いを確認しましょう。
| ホログラムフィルム | オーロラフィルム | グリッターフィルム | マットフィルム | |
| 主な特徴 | 虹色の模様が強く光る | 角度で色味が移り変わる | 細かな粒がきらめく | ツヤを抑え、照明が映り込みにくい |
| 輝きの強さ | 強い | やや控えめ | 強い | なし |
| 絵柄の見え方 | 絵柄の上に虹色の光が重なる。光の角度によっては、絵柄が見えにくくなることもある | 全体にうっすらと青やピンクなどの色がかかる | 絵柄の上に細かな光の粒が散らばり、全体がきらめいて見える | どの角度からでも絵柄が見やすい。全体がやや白っぽく見える |
| 向いているデザインの例 | キャラクターイラスト、ポップなデザイン | パステル調・淡い色づかいのデザイン | 華やかなイラスト、ロゴ | 写真、シンプルなロゴ、大人っぽいデザイン |
| 缶バッジの呼び方 | ホログラム缶バッジ、オーバーホロ缶バッジ | オーロラ缶バッジ | グリッター缶バッジ、ラメ缶バッジ | マット缶バッジ |
ホログラムフィルム|虹色の輝きで目を引く定番フィルム
ホログラムフィルムは、光が当たると虹色のきらめきが浮かび上がるフィルムです。角度によって表情が変わるため、平面のデザインにも動きと立体感が生まれます。
ホログラムフィルムを使った缶バッジは「ホログラム缶バッジ」「オーバーホロ缶バッジ」などと呼ばれ、特殊フィルムのなかでも定番の仕様です。キャラクターイラストやポップなデザインなど、華やかさを前面に出したい缶バッジによく合います。
ホログラムフィルムには、輝き方の異なる2つのタイプがあります。

【クリスタルタイプ】
結晶のような模様が不規則にきらめくタイプです。見る角度によって輝き方が大きく変わり、存在感のある仕上がりになります。インパクトを重視したいデザインに向いています。
ホログラムフィルム(クリスタル)の詳細はこちら

【ドットタイプ】
小さな点状の模様が、全体に規則正しく並んだタイプです。光を受けると点の1つひとつが虹色に輝き、均一なきらめきが広がります。デザインの雰囲気を大きく変えずに、華やかさを足したいときに向いています。
ホログラムフィルム(ドット)の詳細はこちら
オーロラフィルム|角度で色が移ろう、上品な輝き
オーロラフィルムは、見る角度によって青やピンク、紫へと色が移り変わるフィルムです。ホログラムのような模様は出ず、デザインに薄いベールをかけたような、透明感のある輝きが加わります。
ホログラムとの違いは、光の主張の強さにあります。ホログラムは虹色の模様がはっきり浮かぶため、デザインの印象そのものが大きく変わります。一方、オーロラは色味がやわらかく揺らぐだけなので、イラストの見え方を損なわずに上品なきらめきを添えられます。
パステル調や淡い色づかいのイラストと相性がよく、「キラキラさせたいけれど、絵柄はしっかり見せたい」という場合にぴったりです。
グリッターフィルム|細かな粒がきらめく華やかな仕上がり
グリッターフィルムは、ラメ状の細かな粒が全体に散りばめられ、光を受けてキラキラと反射するフィルムです。単に「ラメ」と呼ばれることもあります。
細かく光るという点ではホログラムのドットタイプと似ていますが、光り方は異なります。ドットタイプは虹色の点が規則正しく並ぶのに対し、グリッターは粒が不規則に散らばってランダムに光るため、より華やかで動きのある印象になります。
存在感を出したいイラストはもちろん、星空や夜景、雪、宝石、ステージ衣装など、もともときらめきを持つモチーフともよくなじみます。
マットフィルム|反射を抑えた落ち着いた質感
マットフィルムは、表面に細かな凹凸をつけて光沢を抑えたフィルムです。通常の透明フィルムに比べて光の反射が大幅に少ないため、照明や窓の光が映り込みにくく、どの角度からでもデザインがはっきり見えます。
仕上がりは、デザインの上に薄い半透明のフィルターを重ねたような印象で、全体がほんのり白っぽく見えます。そのぶん色味も光沢仕上げよりやや穏やかになるため、くすみカラーのイラストや写真を使ったデザインとよくなじみます。「落ち着いた高級感」を出したいときにも選ばれるフィルムです。

マットフィルムの詳細はこちら
特殊フィルムの缶バッジを製作・販売するときの注意点
特殊フィルムで表面加工を行うと、配色や絵柄によっては思っていた仕上がりと違って見えることがあります。販売用の缶バッジで失敗しないために、押さえておきたい注意点を4つ紹介します。
1. 特殊フィルムの特徴に合わせてデザインする
特殊フィルムはデザイン全体に重なるため、同じデザインでもフィルムによって見え方が変わります。絵柄をしっかり見せつつ、フィルムの質感も生かせるよう、それぞれの特徴をふまえてデザインしましょう。ここでは、フィルムごとのコツを紹介します。
- ホログラム・グリッター:光が強く当たる角度では、輝きで絵柄が見えにくくなることがあります。キャラクターの顔や作品タイトルなど、必ず見せたい部分は大きめに配置し、輪郭をはっきりさせておきましょう。
- オーロラ:白や淡い色の部分ほど、青やピンクへの色の移ろいがよく見えます。オーロラらしさを引き立てたい場合は、背景や余白に白・淡い色を取り入れるのもひとつの方法です。
- マット:全体がほんのり白っぽくなり、色味も穏やかに見えます。文字や輪郭には濃いめの色を使い、メリハリをつけておくのがおすすめです。
缶バッジのデザイン全般のコツについては、「缶バッジデザインのコツとは?基本からアイデア・注意点を専門店が解説」で詳しく解説しています。
2. 特殊フィルムの取り扱い方法を確認する
特殊フィルムを通常の透明フィルムと同じ感覚で使うと、思わぬ失敗につながることがあります。注意点はフィルムによって異なり、たとえばホログラムフィルムには裏表があるため、向きを間違えるときれいに仕上がりません。製作を始める前に、商品ページや同封の説明書きに目を通しておきましょう。
バッジマンネットのホログラムフィルムには、裏面を示す紙を同封しています。見た目では見分けにくい裏表もひと目でわかるので、はじめての方でも安心してお使いいただけます。
3. 少量で試作して仕上がりを確認する
特殊フィルムの輝きや質感は、パソコンやスマートフォンの画面では正確に再現できません。光の当たり方や見る角度によって印象が大きく変わるため、画面上で思い描いていた仕上がりとの差が出やすいのです。
大量に作る前に、まずは少量だけ試作して、実物を確かめておくと安心です。
印刷の色味や仕上がりの品質を高めるポイントについては、「缶バッジ印刷の質で差をつける!品質改善のポイント・テクニックを紹介」で詳しく解説しています。
4. 販売ページには、輝きが伝わる写真・動画を用意する
特殊フィルムの魅力は、光の角度によって表情が変わるところにあります。しかし、正面から撮った写真1枚だけでは、その輝きは購入者に伝わりにくいものです。
ネットショップやSNSで販売する場合は、角度を変えた複数の写真や、缶バッジを少し傾けて撮った短い動画を用意するのがおすすめです。実物の輝きが伝われば、通常仕様との違いがひと目でわかり、購入の後押しにもなるでしょう。
Instagramを活用した販売方法については、「インスタで個人が商品を販売する方法は?やり方・商材・成功のコツ」で詳しく解説しています。
emoji_objects 特殊フィルムを使って缶バッジをより魅力的に
缶バッジ表面の透明フィルムを特殊フィルムに替えるだけで、いつものデザインのまま輝きや質感を変えることができます。同じイラストで通常版と特別版を作り分けるなど、販売する缶バッジのバリエーションを手軽に増やせます。
バッジマンネットでは、ホログラムフィルムなどの特殊フィルムを50枚から販売しています。イベント限定品や、シリーズの一部だけを特殊仕様にしたいときなど、少しだけ使いたい場面にも気軽に取り入れられます。まずはサンプルで質感を確かめてから、少量で製作してみてください。
缶バッジマシンをはじめ、素材・パーツも豊富に取りそろえています。製作方法や必要な道具については、用途に合わせてお気軽にご相談ください。
よくある質問
Q. オーバーホロ缶バッジとは何ですか?
印刷したデザインの上にホログラムフィルムを重ねて作る缶バッジのことです。デザイン全体に輝きが重なるため、デザインデータに特別な加工をしなくても、ホログラムの仕上がりにできます。この記事で紹介しているホログラムフィルムを使った缶バッジも、このタイプにあたります。
Q. グリッター缶バッジとラメ缶バッジは違うものですか?
どちらも細かな粒がきらめく仕上がりを指して使われることが多く、基本的には同じ種類の加工と考えて問題ありません。商品によって呼び方が異なるため、注文時は実物の写真やサンプルで輝き方を確認すると安心です。
Q. ホログラムフィルムのドットタイプとクリスタルタイプ、どちらを選べばいいですか?
絵柄をしっかり見せたいならドットタイプ、輝きで目を引きたいならクリスタルタイプがおすすめです。
ドットタイプは整ったきらめきが全体に広がるため、デザインの雰囲気を大きく変えません。クリスタルタイプは光の角度でランダムに輝き、存在感のある仕上がりになります。
Q. 特殊フィルムは手持ちの缶バッジマシンでも使えますか?
多くの場合、お使いの缶バッジマシンが対応するサイズのフィルムを選べば、通常の透明フィルムの代わりにセットして使えます。ただし、フィルムの厚みや大きさは商品によって異なり、マシンとの組み合わせによってはうまく仕上がらないこともあります。
バッジマンネットで取り扱う特殊フィルムは、当店のマシンで美しく仕上がることを前提に選んでいるので、安心してお使いいただけます。