
「ブラインド商品」という言葉を聞いたことはありますか。開封するまで何が出るかわからないワクワク感が多くの人々を魅了し、アニメ・ゲーム・アーティスト関連のグッズを中心に急速に普及しています。その人気は日本国内にとどまらず、中国市場でも爆発的な広がりを見せています。
本記事では、ブラインド商品の基本的な仕組みから主な販売形態、人気のアイテム、そして企画・販売する際の注意点まで、わかりやすく解説します。
ブラインド商品とは
ブラインド商品とは、購入時に中身が見えない状態で販売される商品のことです。「トレーディング商品」「ランダム商品」と呼ばれることもあります。
キャラクターグッズやアニメ・ゲーム関連商品を中心に、幅広い年代で人気があり、アニメショップやホビーショップ、コンビニ、イベント会場などで販売されています。近年はオンライン通販やカプセルトイ専門店の台頭により、市場はさらに拡大を続けています。
ブラインド商品の主な特徴は以下の通りです。
購入まで中身がわからない
どのデザインが出るかわからない運の要素があり、開封時のワクワク感を楽しめるのが魅力です。通常のラインナップに加えてシークレット(隠し)アイテムが含まれることも多く、コレクター心理を刺激し、複数購入やリピート購入といった購買行動につながりやすい特徴があります。
コンプリートや交換を楽しむ文化が定着
複数種類を集める商品設計が多いため、ファンの間では「全種コンプリート」を目指す動きが広く浸透しています。また、重複したアイテムをユーザー同士で交換し合う「トレーディング文化」も定着しており、SNSやフリマアプリを通じたやり取りが活発に行われています。
トレーディングについては、「トレーディングとは? グッズビジネス参入に向けて知っておきたい情報を解説」で詳しく解説しています。
ブラインド商品がグッズ業界で注目される理由
ブラインド商品は、ゲームやアニメ、アイドルなどのキャラクターやアーティスト関連のグッズ業界を中心に注目されています。それは次の理由からです。
複数購入を促進しやすい
ブラインド商品は、購入者が目当ての商品を引き当てるために、複数購入を促しやすい仕組みです。
特に近年は「推し活」の広がりにより、「推しを引きたい」「全種類を集めたい」「交換用にも複数欲しい」といった明確な動機を持つユーザーが増えています。結果として、1人あたりの購入点数や金額を増加させる要因となっています。
推し活の市場規模や最新動向については、「推し活の市場規模は?最新動向から基礎知識、グッズビジネスに役立つ情報も 」で詳しく解説しています。
在庫リスクの分散ができる
通常のグッズ販売では、人気の偏りから売れ残りのリスクがつきものです。ブラインド形式では中身が見えないため、特定のデザインに偏らず全体的にバランスよく販売しやすいという特徴があります。このため在庫の偏りを防ぎやすく、売れ残りリスクを抑えられます。
自発的な情報発信を促せる
ブラインド商品の購入者の多くは、開封時のドキドキ感や目当ての商品を手に入れられた喜びといった体験そのものに価値を見出しています。こうした体験は、SNSでのシェアやファン同士の交換を通じて共感を呼びます。その結果、自然なかたちで話題が広まる効果が期待できます。販売側にとっては、広告費を抑えながらも、商品認知の拡大や販売促進につなげられる利点があります。
体験を楽しむ購買行動は、コト消費の一形態としても注目されています。コト消費について詳しくは、「コト消費とは? モノ消費との違いや注目される理由、主な例を解説 」で解説しています。
中国市場での爆発的な人気
ブラインド商品の人気は日本国内にとどまりません。中国市場では「盲盒(マンホー)」としてZ世代を中心に爆発的な人気となっています。IPビジネスやグッズ展開において大きな収益機会を生み出す手法として、グッズ業界から注目を集めています。
ブラインド商品の販売形態とチャネル
ブラインド商品とひとことで言っても、その販売形態・展開先はさまざまです。
ブラインド商品の主な販売形態
- ブラインドボックス
中身が見えない小箱に入れて販売される形態です。この形態は、フィギュアやぬいぐるみなどの立体グッズで多くみられます。全種類が1箱に揃った「コンプリートセット」は、確実に集めたいファンに支持され、根強い人気を誇ります。中国で人気の盲盒(マンホー)は、多くの場合この形態で販売されています。 - ブラインドパック
不透明な袋に入れて販売する形態です。缶バッジやアクリルスタンド、カード類などで広く用いられており、比較的低価格帯の商品を取り扱うことが多いのが特徴です、イベントや量販店などで頻繁にみられます。 - くじ形式
くじ引きによってランダムに景品が当たる販売形態で、「一番くじ」に代表されるキャラクターくじが広く親しまれています。ハズレがなく、必ずいずれかのオリジナルグッズが手に入る点が特徴です。景品にはA賞〜E賞といった等級が設けられており、希少性の高い上位賞を狙って複数回チャレンジするファンも少なくありません。
全国のコンビニエンスストアや書店などで幅広く展開されています。
参考:一番くじ倶楽部|BANDAI SPIRITS公式 一番くじ情報サイト - カプセルトイ(ガチャガチャ)
カプセルトイ(ガチャガチャ)は、典型的なブラインド商品と言えます。商品が不透明なカプセルに封入されており、カプセル型自販機を通じて、1回数百円という手頃な価格帯で販売されています。
小型玩具や雑貨、缶バッジ、ミニフィギュアなどが主に取り扱われており、商品ラインナップの豊富さや手軽さから、子どもから大人まで幅広い層に支持されています。
カプセルトイは、都市部だけでなく地方都市でも専門店が増え、市場を急拡大させています。詳しくは「カプセルトイの市場規模は?成長の背景・ビジネスモデル・人気商品を解説」で解説しています。
ブラインド商品の主な販売チャネル
ブラインド商品は、以下のようなチャネルを通じて販売されています。チャネルの特性に応じて、扱われる商品も特徴があります。
- アニメショップ(アニメイト、ゲーマーズなどが代表的)
- ホビーショップ・玩具店
- ゲームセンター
- カプセルトイ専門店
- コンビニ・書店
- オンライン通販(公式サイト・ECモール・専門通販など)
ブラインド商品で扱われるアイテム
ブラインド商品でよく扱われるアイテム・グッズを紹介します。いずれもコレクション性が高く、複数購入を促しやすい特徴があります。
缶バッジ
缶バッジは、ブラインド商品の代表的なアイテムのひとつです。デザインのバリエーションが出しやすく、比較的安価で購入しやすい価格帯のため、初心者からコレクターまで幅広い層に人気があります。
アクリルキーホルダー
透明感のある素材にキャラクターやイラストを印刷したグッズです。デザイン性が高く、日常的に持ち歩ける実用性もあり、男女問わず支持されています。
アクリルスタンド(アクスタ)
キャラクターを立てて飾れる点が特徴で、インテリア性の高さが魅力です。特に推し活やイベント用途では、高い需要があります。
ミニフィギュア
立体的な造形が魅力で、細部まで作り込まれた精巧さがファン心をくすぐります。ブラインドボックスで販売されることが多いアイテムです。フィギュアコレクター向けの商品として、価格帯や素材によって幅広い展開が可能です。
小型雑貨
文房具やストラップ、マスコットなど実用性のあるアイテムもよく扱われます。グッズ初心者にも購入しやすいカテゴリーです。
ブラインド商品を企画・販売する際の注意点
ブラインド商品を企画・販売する際には、次のポイントを留意して検討しましょう。
ユーザーの購入意欲を高める商品設計
ブラインド商品の商品設計では、ユーザーの購入意欲を高めるための工夫が求められます。具体的には以下の通りです。
- 種類数の設定
テーマによっても異なりますが、一般的に6〜10種類程度で展開されています。この範囲だと「もう少しで揃いそう」と感じやすい傾向があります。種類が少なすぎると早期に飽きられ、多すぎるとコンプリートを諦められてしまうため、適切なバランスが求められます。 - 封入率の設計
基本ラインナップは均等またはそれに近い比率で設定し、特別感を演出したい場合は通常ラインナップとは別に「シークレット」や「スペシャル」枠を設けるのが一般的です。 - ターゲットに合わせたアイテム選定
1回あたりの価格と、全種類をコンプリートするまでに必要な総額のバランスを考慮しましょう。ターゲットが無理なく購入できるアイテムを選定することが必要です。
なお、景品表示法などの関連法規を遵守し、過度に射幸心をあおるような極端な演出を避けることも不可欠です。
商品特性に合わせた仕入れ方法の検討
ブラインド商品の仕入れでは、商品の特性や見込み販売数に応じて、適切な発注ロットを選ぶことが重要です。
販売数が見込める人気商品は、大量生産によってコストを抑えやすくなりますが、トレンドに左右されやすい商品は、小ロットでの発注が適しています。
例えば、アクリルキーホルダーや缶バッジは、小ロット対応がしやすく、テスト販売にも活用しやすいアイテムです。市場の反応に応じてラインナップを柔軟に調整できる仕入れ体制を整えることで、在庫リスクの軽減にもつながります。
小ロット制作が可能なグッズについては、「小ロットでもできるグッズ制作!注文手順や費用、失敗を防ぐポイントも 」で詳しく解説しています。
陳列・パッケージの工夫
ブラインド商品を効果的に販売するには、陳列方法やパッケージデザインの工夫も重要です。専用のディスプレイやPOPを用意することで、売り場での視認性が高まり、来店者の目にも留まりやすくなるでしょう。
また、中身が見えないからこそ、外装のデザインでキャラクターやブランドの魅力を伝えることが求められます。例えば、パッケージにラインナップの一覧を掲載したり、シークレットアイテムの存在を示唆したりすると良いでしょう。
emoji_objects ブラインド商品の特徴を押さえてユーザーが楽しめる商品設計を目指そう
ブラインド商品は、開封時のワクワク感とコレクション性から高い人気を集めています。複数購入の促進や在庫リスクの分散といったメリットがあり、グッズ業界において有効な販売手法として注目されています。
商品設計では、ターゲット層が無理なく楽しめるよう、種類数・封入率・価格帯のバランスを慎重に検討することが重要です。
ブラインド商品で扱われるアイテムのなかでも、缶バッジはコレクション性の高さと手頃な価格から、人気が高いアイテムです。缶バッジマシンを導入すれば、外注に頼ることなく、自社内での製作も可能です。デザインや数量を調整しやすく、小ロット対応や市場動向の変化にも柔軟に対応できます。
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