缶バッジの製造販売をビジネスで行う以上、大量に在庫を抱えてしまうリスクは常につきまといます。また、在庫管理が不適切でサビが発生し、売り物にならなくなってしまうケースもあるでしょう。そうした際には、缶バッジを処分せざるをえませんが、どのような方法があるのかご存じでしょうか? 

今回は、さまざまな理由で缶バッジを大量に処分する具体的な方法やコストについてお伝えします。缶バッジの製造販売を行っている担当者の方はぜひ、参考にしてください。

缶バッジを大量処分する方法

缶バッジを大量処分する方法は、大きく2つに分けられます。1つは産業廃棄物として処分する方法。そしてもう1つは専門業者に買い取ってもらいリサイクルする方法です。ここではそれぞれについて解説します。

缶バッジを産業廃棄物として処分する方法

□ 産業廃棄物とは?

企業が出すゴミは「産業廃棄物」と「一般廃棄物」に分けられます。産業廃棄物は、事業ゴミとも呼ばれ、事業活動によって生じた廃棄物の総称です。

「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」では、法令で定められた、燃えがら、汚泥、廃油、ゴムくず、鉱さい、がれき類など全20種類あります。そのなかで缶バッジの材料となるブリキは金属くずに該当します。

□ 缶バッジを産業廃棄物として処分する際の流れ

実際に缶バッジを産業廃棄物として処分する流れについて説明します。

1. 産業廃棄物処理業者との委託契約の締結
委託する業者に「産業廃棄物処理業許可証」があるのかを確認します。取り扱うことのできない廃棄物の処理を委託したり、処理能力が不十分な業者に委託したりすると、罰則があるため必ず確認してください。

2. 産業廃棄物の収集運搬・処分業者との契約締結
産業廃棄物の収集運搬・処分業者との間で、法令に定められた事項を含む契約を書面で締結します。この契約をせずに委託した場合にも罰則があるので、契約は確実に行いましょう。

3. 産業廃棄物を収集運搬業者に引き渡す際は、産業廃棄物管理票(マニフェスト)を交付
紙マニフェストもしくは電子マニフェストを交付します。また、マニフェストの交付に関して何らかの問題があれば、速やかに管轄の自治体に報告しなければなりません。

以上を確認のうえ、産業廃棄物処理業者に委託します。

缶バッジを産業廃棄物として処分することのメリットとデメリット

缶バッジを産業廃棄物として処分することのメリットは、自社での処理が困難な場合に、適切な手段で処理してもらえることです。

これに対しデメリットは、正しい手続きを踏んだうえで依頼しないと罰則を受け、企業としての信頼を失ってしまうことです。また、産廃処分費がかかってしまうのもデメリットといえます。

缶バッジを専門業者に買い取ってもらう方法

缶バッジは、基本的にペンチで簡単に分解できるうえ、シェル、バックパーツはスチールとして100%再利用されるため、専門の買い取り業者に依頼する方法もあります。具体的には自ら買取業者に持ち込むか、出張買取のどちらかで、それぞれの一般的な流れは次のとおりです。

□ 持ち込む場合の流れ

買い取ってもらいたい缶バッジを業者に持ち込み、持ち込んだ車両を含めた総重量を計量し、荷下ろし後、空車重量を計量します。その時点での相場に合わせ金額が決定し、買取価格を受け取ったら完了です。

□ 出張買取の場合の流れ

電話やメールでの問い合わせ後、見積もりを出し双方の合意があれば、出張買取の作業を行います。その後、伝票を作成して買い取り価格を受け取ったら完了です。

缶バッジを専門業者に買い取ってもらうメリットとデメリット

缶バッジを専門業者に買い取ってもらうメリットは、産業廃棄物をリサイクルすることにより、処理費用の削減や企業のイメージ向上につながることです。

これに対しデメリットは、大量の缶バッジを持ち込むためのトラック、巨大な土嚢袋を吊り上げるフォークリフトなどの手配やコストでしょう。また、大量処分しない限り、人員と手間をかけても、それに見合う買取価格が実現できないケースもあることです。

また、買い取ってもらうためにはある程度の量が必要となるため、保管場所を確保しないといけない点もデメリットといえます。

缶バッジを大量処分するコスト

缶バッジを大量処分する際には、コストについても理解しておく必要があります。ひとくちに金属くずといっても種類によってかかるコストもさまざまですが、金属くずは1kgで1~40円程度が平均相場です。

ただ、金属くずも金属として一定の価値があり、リサイクルされる場合は有価物として買い取ってもらえるケースもあります。しかし、ここで注意しなければならないのが逆有償です。

産業廃棄物として処理する際の逆有償とは?

逆有償とは、有価物として買い取ってもらう価格よりも運搬費用や処理費用の方が高くなってしまい、利益が出ずにマイナスになってしまう状態のことです。

逆有償が起こる要因の多くは買取単価の相場変化です。相場は常に変化するので、処分する際は相場のチェックが欠かせません。ただここ数年は、さまざまな要因で燃料費の高騰が続いているため、買取単価が高くても運送費の方が高くなるケースがほとんどです。その結果、利益は出ずに逆有償となる可能性は高いといえるでしょう。

缶バッジの大量処分にリサイクルをおすすめする理由

缶バッジを大量処分する方法として、「産業廃棄物として処理する」「買取業者に依頼してリサイクルしてもらう」の2つを紹介しましたが、おすすめは買取業者に依頼してリサイクルしてもらう方法です。その理由としては次の2点があげられます。

企業がリサイクルを行うことの重要性

企業が産業廃棄物をリサイクルすることにより、廃棄物・リサイクルガバナンスの構築を通じて、資源の有効利用による循環型社会構築への寄与や経営リスクの低減が可能です。また、ブランドイメージの向上に伴う企業価値の増大などの達成も期待できるでしょう。

特に近年は、SDG’sの観点からもリサイクルには大きな期待が集まっています。企業が廃棄物をリサイクルすることで、持続可能な社会の実現に向けた、直接もしくは間接的な関与が可能です。

缶バッジの素材はリサイクルに最適

缶バッジは簡単に分解でき、シェル、バックパーツはスチール(鉄)として100%再利用されるため、リサイクルに最適な優れた資源です。さらに、スチールは、容器包材リサイクル法から除外されているため、ほとんどのリサイクルルートにおいて費用負担がかかりません。

これらのことから、缶バッジを大量処分する際は産業廃棄物として処分するよりも、リサイクル業者に買い取ってもらう方がコスト削減につながります。場合によっては利益が出る可能性や、逆有償になってしまっても売上による相殺で低コストにおさまる可能性があります。

缶バッジの過剰在庫を防ぐにはバッジマンネットの活用がおすすめ

さまざまな事情で缶バッジの大量処分が必要になった場合、産業廃棄物として処理するか、専門業者にリサイクル用途で買い取ってもらうかの2択です。缶バッジの素材であるスチールは、リサイクル率が高く、100%再利用される優れた資源であるため、基本的には買取業者に買い取ってもらうことをおすすめします。

ただ、買い取ってもらうためにはある程度の量が必要となるため、買い取ってもらうための缶バッジが一定量になるまでは、保管場所も確保しないといけません。そのため、スペースの確保や維持コストはどうしてもかかってしまうでしょう。さらに買取業者に持ち込む場合は、輸送の手間やコストもかかり、逆有償になることもあり得ます。したがって、そもそも過剰在庫にならず、缶バッジの大量処分をしなくて良い環境にすることが理想でしょう。

そこでおすすめなのがバッジマンネットの活用です。豊富な在庫と素早い発送に強みがあり、自社でパーツを大量に保管せず使いたいときに使いたい量のパーツを発注すれば、自社での保有期間を最小限に抑えられます。その結果、過剰在庫リスクの低減が可能です。

コストを抑え、缶バッジの販売管理を行うには、倉庫代わりのように使えるバッジマンネットの活用をぜひ、ご検討ください。